USERS’VOICE
「ぐんぐん浸透する浸透感には、ちょとした感動を覚えます」
RENA KATO / landlady
古くから素朴な湯治場として親しまれてきた、山間の静かな温泉地である板室温泉。ここで、1日わずか3組のみの小さな宿「湯宿きくや」をご家族で営む若女将の加藤玲奈さん。
宿のしつらえからアメニティなどの細部に至るまで隙のないセレクトでありながら、やさしくあたたかいもてなしの心を感じる宿です。
— 板室温泉の良いところを教えてください。
板室温泉の良いところは、素朴であることです。黒磯からつながる板室街道で20分ほど、少し足を伸ばせばすぐに自然の中に飛び込むことができます。
板室温泉は「下野の薬湯」として「杖いらずの湯」ともいわれてきました。
温泉は、無色透明無味無臭の「アルカリ性単純泉」と微かに塩気やとろみを感じる「硫酸塩泉」の2本の源泉を引いていて、通常の源泉が60度台なのに比べ、40度台と温度が熱すぎないため、長く浸かっていられるのが特徴です。
— 現在のスタイルになった経緯を教えてください。
私どもの「湯宿きくや」は、元々はきくおばあちゃんの蕎麦屋からはじまり、その後は形を変えながら長く家族で湯治宿を営んできました。
幼い頃から自宅の部屋の扉を開けるとすぐに旅館の売店という環境でしたので、自分が生まれる前から旅館にお越しいただいているようなお客様囲まれて育ちました。
10年ほど前から家族でできるこぢんまりとした宿をやりたいという母の夢があり、令和元年に1日3組の宿として現在の形にリニューアルをしました。
私は東京で就職し9年ほど会社勤めをしていましたが、地元を離れて仕事をするうちに、板室の良さに気がついたといいますか、ここで生まれ育ったものとしての使命感のようなものを感じて、自分にできることをやろうと帰郷を決意しました。
— もの選びの目はどのように養われてきたのですか。
家具や雑貨などに興味を持つようになったのは、大学入学とともに上京し一人暮らしを始めたのが大きなきっかけです。いかに自分にとって居心地がよい空間を作れるかを考え、休みの日に行きたいお店をピックアップし、とことん見て回っていました。
「板室にあっても異国のものがすっと溶け込むような空間だね」とお客様に言っていただいたことがあり、印象に残っています。
お客様が手に取るものは自分たちが気に入ったものをと考え、宿のうつわやしつらえは私と母で決めています。
お部屋にはゆかたも準備していますが、落ち着かないというお客様もいらっしゃるので、フレンチリネンのくつろぎ着を準備しています。これはスタイリストの阿部由美子さんのこだわりが詰まった「e&co」のもので、私自身も愛用しています。またシャンプーはコンセプトに共感した「余[yo]」のものをアメニティとして揃えています。
家族で3人で小さくやっている宿なものですから、わたくしども迎える側の服装も、和服のようなかっちりしたものではなく、親戚のおうちに遊びに来たような雰囲気で肩肘を張らずに過ごしていただけるような雰囲気を大切にしています。
— 普段習慣にしていることはありますか。
夏は4時半くらいには既に日が上っているので少し早めに、朝食の準備の前に板室を歩くようにしています。夏の朝はとても気持ちが良くて、たとえ5分でも10分でも外の空気を吸うのは心の余裕を持つためにも大切な時間です。
宿に生けているお花は自然から摘んできたものです。板室の空気感を宿の中に取り入れることを大切にしています。
— 普段のスキンケアはどのようにしていますか。
24時間お客様がいる環境なので、お化粧を落とすまでの時間がどうしても長くなってしまいます。お肌にかけられる時間が限られているので、できるだけシンプルに。使い続けても無理がない範囲でブースター、化粧水、美容液とあまりたくさんのものは使わないようにしています。
野蚕の繭は幼い頃から学校の校庭で拾ったり身近に見かけるものでした。まさか身近にあったあの繭がスキンケアになるなんて驚きました。パレリノスキンローションを使ってみた第一印象は、ぐんぐん浸透する浸透感、肌が吸ってくれるという感覚で、潤っていくのが感覚でわかります。今まで使っていた化粧水にはなかったもので、ちょとした感動を覚えますね。パレリノスキンセラムも肌につけた時の違和感や負担がなく、自然な使い心地がいいですね。